山と溪谷社<br> ヤマケイ文庫 単独行者 新・加藤文太郎伝下

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山と溪谷社
ヤマケイ文庫 単独行者 新・加藤文太郎伝下

  • 著者名:谷甲州
  • 価格 ¥792(本体¥720)
  • 特価 ¥396(本体¥360)
  • 山と溪谷社(2015/06発売)
  • ポイント 3pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784635047548

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内容説明

構想35年。ヒマラヤ登山の経験を持つ作家・谷甲州が、史実を基に伝説の登山家・加藤文太郎を描ききった長編山岳小説の下巻。
雪山登山がまだ一般的でなかった昭和初期の時代に、案内人も雇わず、ただ独り雪の北アルプスを駆け抜けて風雪の北鎌尾根に消えてしまった加藤文太郎の生涯がリアルに浮かび上がる。
加藤の遺稿集『単独行』を徹底的に分析し、独自の解釈によって生み出された文太郎像は、新田次郎の『孤高の人』とはちがったキャラクター設定となっていて興味深い。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

gonta19

92
2015/4/22 Amazonより届く。2016/12/14〜12/26新田次郎の「孤高の人」とは一味違う加藤文太郎像。迫力のある登山描写に圧倒される。私自身は冬山経験は無く、行ってみたい気はするが、こういうのを読むと、生半可な気持ちで挑むのは無謀だろうな。今後、何度も読み返す小説になるだろう。2016/12/26

翔亀

45
新田次郎「孤高の人」のラストは涙なしには読めない、と書いた。同じ加藤文太郎を語った本書のラストも涙なしには読めなかった。しかし、その涙は爽やかな涙だ。新田さんは、単独行の加藤の生き方に100%共感しながらも、"社会性"との対立の末の"単独者"の敗北の運命を描いた。軍国主義の足音も効果を上げ、恐らく普遍的な感動を与える。そのためどうしても悪役が必要となり、遭難時の同行者・吉田(新田さんの本では宮村)がその役を担う。吉田がいなかったら幸福を掴めただろうに(ただし登山は断念する代わりに)というウェットな涙だ。↓2015/07/20

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36
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎☆。この作品の素晴らしいところは 変に教訓じみた事は描かず、かなり抑えて登攀記録を描写し続けている事。史実と虚構の微妙な狭間を表現している事に成功している事。谷甲州氏の描いた加藤文太郎もかなりエッジの効いたキャラクターになっていて、正直俺は友達にはなれないと思ったけれど、だからこそ、読了した後の余韻も奥深くて広い。決して万人向けな作品ではないけれど、この不器用なカンジはほっとけなくて好き。自分の好きな事くらいは拘りを持っていきたいよね。やるな、谷甲州とヤマケイ文庫の愉快な仲間達。2016/11/24

あずき

16
山行だらけの上巻と比べて、物語として進んでいきます。家族、仕事、尽きる事ない悩み等。そしていよいよ吉田登美久さんとの北鎌尾根。でも、谷さんが描く文太郎さんと吉田さんとの関係は良かった。更に大きな目標の為に、一番信頼できる人と組もうとした事に納得できました。読み応えはありますが、読む人を選ぶ小説かも知れません。私には、文太郎さん本人の「単独行」で分かりづらい所が理解できたような気がして嬉しいです。2017/10/30

リュウジ

14
★4 なぜ彼は登り続けたのか。彼は山に何を求めていたのか。そして山とはいったい何ものなのか。最後までそれを解き明かそうとした“純”山岳小説だった。そこが加藤の人となりを描こうとした新田次郎「孤高の人」とは異なるところ。といっても明快な答えが導き出されたわけではない。ただ一人の読者として彼とともに歩き、ともに凍え、時にそこから見える光景に心震わせ、時に恐怖に震え、最後は北鎌尾根で遭難し夢半ばにしてともに死んだ。山は人生の歓びも人の命も呑みこんでいく。次、彼と同じ山に登った時、何を感じるのかな。それが楽しみ。2020/02/13

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