内容説明
事故前に描かれていた原発事故後の緊急被曝防護は,もろくも崩れ去っていた.そればかりか,科学的検討の不在のまま,初期被曝は見捨てられていた.公開された政府事故調文書から明らかになった驚くべき経緯を整理.さらに,限られたデータから被曝量の推定を統計的に行う.再稼働を前に,安全神話のままの被曝防護を問う.
目次
目 次
まえがき
はじめに──なされなかったこと,なされるべきこと
第 1 章 見捨てられた初期被ばく
限られた直接測定/機能しなかった環境測定/1 桁もゆるめられた身体除染基準/ 「液状化」した住民防護
第 2 章 変質したスクリーニング──科学の消失から「安心」へ
who による安定ヨウ素剤服用ガイドラインでは/公開された聴取録/混乱のなかでゆるめられた基準値/ 「安心の拠り所」への変質
第 3 章 スクリーニング基準値の意味
10 万人の体表面スクリーニング検査/基準値 1 万 3000 cpm が意味する水準/子どもの甲状腺防護の危機
第 4 章 矮小化される被ばく被害
体表面スクリーニング検査を受けた集団の甲状腺被ばく量/東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議/1080 人の子どもの甲状腺スクリーニング検査/検討を避けた専門家会議と過小評価
第 5 章 神話のままの被ばく防護
事故の現実から乖離したままの原子力災害対策指針/汚染の現実と防護の方法/ 「安心のしきい値」/新たな安全神話
補論 沈着速度の考え方──土壌汚染データから被ばく量を推定するために
コラム study2007 と被ばく
参考文献
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