内容説明
人は、国家は、なぜ殺し合うのか? 宗教による対立、民族間の紛争、領土の奪い合い・・・・・・。憎しみと復讐の連鎖に終わりはあるのか? ウクライナ、ガザ、そして世界の各地で今も続けられている凄惨な戦闘は、膨大な数の被害者と甚大な破壊をもたらし、この現代世界をとてつもない混迷に導こうとしている。ニュースだけではわからない世界と日本を覆う危機の深層を、今、知の巨人・佐藤優が語り明かす!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うだうだ
4
年末で、仕事に追われず時間に余裕がある。マクロ的な見方をするにはうってつけなので、手に取った。現在の国際情勢や未来の日本のあり方を考える上で役に立つ。ウクライナ戦争が起こったときの、マスコミを中止とするヒステリックな論調(自分は決してロシアの侵略を支持しない)、日本人が経営するロシア料理店が壊され営業できなくなったこと等々、本を読みながらいろいろ思い出した。距離を置いて物事を見て考えることは大事。やられたらやり返すというイラン・イスラエル・北朝鮮・韓国の関係の背景にあるのが、なるほど、アメリカの弱体化か。2024/12/28
安藤 未空
4
昨今の世界情勢に関する「入門書」的な内容だった。ウクライナに関する内容は、私がすでにほかの本で詳細を読んでいたので物足りなく感じた。一方、ガザの話や東アジアの安全保障といったテーマについては、「ここから深堀をしよう」と思えた。特に、ガザの話については、簡略化されているからこそのわかりやすさがあったと思う。 それにしても、佐藤氏の岸田政治に対する評価は褒めているのか貶しているのか…。絶妙な表現がある意味すごいしおもしろかった。 この本には前に当たる内容の本があるようなので、今度、それも読んでみたいと思う。2024/12/28
Go Extreme
1
世界は新しい戦前 生の欲動と死の欲動が根底に 外交で攻撃「意思」をなくす 現実的問題で外交交渉 NATO東方拡大が原因か グルジア侵攻が分岐点 ユーロマイダン革命はクーデター ロシアの緩衝地帯へのこだわり イスラエル生存権とパレスチナ ホロコーストと「他者は無駄」意識 ハマスの「滅びの美学」 片務的な日米安保、抑止力は核か 日本の安全保障は「後退戦」 インドネシア・ミャンマーとの外交 日本の核武装は不可能 核共有・核の傘は幻想 民主主義下の無責任体質 平和第一、価値観は棚上げも 相互主義、報復による平和?2025/05/01
タカバル
1
持たざる国、日本の生存戦略として核武装があるが、日本人の拒絶意識に加え、各国からの制裁、核実験場所の問題、隠密な開発の困難性等があり現実的でない。まずは自国を自力で守ることができる備えに加え、急成長を遂げるインドネシアと軍事政権により仲間の少ないミャンマー等のアジア諸国との関係構築が欠かせない。平和のために備え、適切な抑止力を行使できる国でなければ、人権より国権が優先される未来を生み出しかねない。2025/04/11
Ted
1
'24年9月刊。△中身は聞き書き風で軽いが、レイアウトや構成は学研だけあってよく纏まっている。2025/01/30