内容説明
高級老人ホーム「いこいの園」で暮らす裕福な老婦人である野々山あすかと、窃盗を繰り返しながら裏社会で生きる久米明日香。偶然居合わせた場であすかの会話を耳にした久米が「いこいの園」への侵入を目論んだことから始まる物語は、２人の家族をはじめとした多くの人間を巻き込んで、全く予想だにしない方向へと転がり出す。次々に起こる事件の裏で、愛憎交わった様々な人間模様が錯綜する、ノンストップ長編サスペンス。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
愛書家
7
コソ泥の中年が中心になってゆく群像劇。 褒められたものではないのだけれど、彼の心境の変化に共感しかせず。 赤川さんにしては珍しく真正の悪人には意外性を感じました。ここまで悪人を書くって、赤川さんにしては珍しいのです。 どう落とし込むか瞠目していましたが、着地点に唸る。 何ときれいに纏めたのか、感服いたしました。2025/06/14
